ホームシアターを始めよう!




映画というのは、大画面で観ることを前提に作られています。
サウンドもドルビーデジタルなどのマルチチャンネルサラウンドが主流で迫力満点ですが、これを小さなTVで観たらどうなるでしょう? 面白い映画なのに迫力がなくなってつまらなく感じたり、スコープサイズの映画をTVのサイズに変換したものなどはまったく違った印象になるかもしれません。音もTV内蔵のスピーカーでは「音が出ている」というだけです。迫力も何もありませんね。
ですから、その映画を評価するには製作者側が意図した大画面・サラウンドで観賞する必要があります。
でも、映画館にはなかなか行けないものです。日程や時間が合わなくて公開が終わってしまうこともありますし、周りの客がうるさくて映画に集中できなかったり、トイレに行くときは映画を一時停止してくれません(笑)。
そこでホームシアターが必要になる?のです!

まずはやっぱり大画面

「ホームシアターを始めたいが、まだ何もない」というのであれば、まずは大画面を実現しましょう。
TVを買い換えるなら、大きめのワイドTVでもいいのですが、やっぱり映画はスクリーンに映して観るのが一番だと私は思います。
ですから、最初は液晶プロジェクターの導入をおすすめします。
プロジェクターには大きく分けて、液晶式と3管式があるのですが値段と手軽さで液晶式のほうが扱いやすいので初心者にはこちらをすすめます。3管式のほうが高画質ですが、価格が高いし重いし調整が大変です。一度設置すると動かせるものではありません。
その点液晶式は、ポンと置いてフォーカスを合わせるだけですから簡単です。
液晶プロジェクターは各メーカーから色々と発売されていますので、予算に合わせて選べばいいのですが、気をつける点は「投射距離」です。
投射距離とは、レンズからスクリーンまでの距離のことで、機種によって違います。ですから部屋の広さによって何インチまで表示出来るかが違うのです。
それから、設置する場合は本体の奥行きの分もありますので、その点も考慮します。
まあ、たいていの機種は6畳間で80インチ程度だと思います。詳しいスペックはカタログスペック一覧でご覧ください。
あと、液晶も単板式より3板式のほうが高画質です。単板は機種によって多少字幕が読みにくいものもあります。

スクリーンですが、なくても白いカベに映せばそれなりに観られますが、やはりスクリーンに映したほうが明るいし断然きれいです。
スクリンーにも種類があって、ビーズ、マット、パールなどがあります。
安めのプロジェクターは多少暗いので、明るく映せるビーズタイプのスクリーンをおすすめします。 明るいプロジェクターならマットタイプを使ったほうが良いと思います。
設置方法は、壁や天井に取り付けられるのであればスプリングローラーや電動タイプを使いますが、映画を観るときだけプロジェクターを設置するのなら壁掛けタイプでいいでしょう。
これならクギ1本打って引っかければいいだけですから・・・ でも、スクリーンを巻くのが面倒ですが一番安いです。
サイズは設置可能な範囲で好きなサイズを選んでください。だた、大きくしすぎると画面が荒くなりますし暗くなりますので注意してください。


音はドルビーデジタルがいいけど・・・

大画面の用意が出来たら、次はサウンドのほうです。
理想はドルビーデジタルによるスピーカー6本を使った5.1ch再生なのですが、設置も大変ですしコストもかかりますので、お金に余裕のない人はまずはステレオ再生から始めましょう。
プロジェクターにもスピーカーを内蔵している機種がありますが、これではTVの内蔵スピーカーよりヒドイかもしれませんので何とかしましょう。
ミニコンポなどのステレオを持っていれば、とりあえずそれにつないでしまうのがいいでしょう。でもスピーカーはスクリーンの両脇にセットしたほうがいいので、長いスピーカーコードを買ってきて設置するのがいいかもしれませんね。
多少お金が出せるなら、ドルビーサラウンドデコーダ内蔵のAVアンプを導入しましょう。
ドルビーサラウンドなら定価が5万円くらいのアンプがいろいろ出ていますし、5.1ch入力の付いたものなら将来ドルビーデジタル対応にできます。
ソフトはVHSしか観ないのならこれでOKです。ドルビーデジタルの再生をしたいならLDかDVDのソフトでないとダメです。

スピーカーも各社からホームシアター用に小型のセット物がありますので、それらを利用するのが安くて簡単です。
しかし、音質は好みがはっきり分かれますのでショップなどで試聴してから決めるのがいいでしょう。


防音と遮光対策

けっこう重要なのがこれですね。
遮光は、雨戸があればそれを閉めればいいのですが、マンションなどには雨戸はついていませんね(笑)
予算に余裕があるのなら厚手の遮光カーテンを買いましょう。安く済ませたいのなら、私のように写真暗室用の遮光カーテンをカメラ屋さんで買いましょう。
素材はビニールがほとんどですが、1000円〜5000円くらいで買えると思います。

防音対策が一番やっかいですね。
持ち家でお金があれば防音工事してしまえばいいのですが、かなりの予算がかかりますし、賃貸のマンションやアパートでは不可能に近いですよね。ほとんどが何も出来ません。私も何もしていないですが・・・(笑)
まあ最低限できることは「戸を閉める」「音量を控える」「お隣さんと仲良くしておく」といった所でしょうか・・・ でも、特に最後のが大事かもしれません。
仲良くしておけば、多少は音量を上げても苦情を言われないかもしれませんから!  でも夜は音量を控えましょう。


不満が出たらバージョンアップ

やはりどんな状況でホームシアターを始めても不満は出てくるものです。
そうしたら少しずつ買い換えるなりしてバージョンアップしていくことになるでしょう。
お金に余裕があって家を新築・増改築するのであれば防音・遮光工事をして専用のホームシアタールームを作るのもいいでしょう。これは全AVファンの夢ですね。



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